産後の骨盤矯正が不妊治療に関係する理由

2016年05月31日

婦人科専門院ファンクショナルマッサージ治療室
院長 粟木原 出 先生より

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二人目不妊の原因として、
年齢以上に感じるのは、骨盤の問題です。

骨盤の問題で、
Th10周辺が緊張することや
骨盤内の代謝が低下してしまいます。

妊婦さんの治療や産後のケアには
その辺もしっかりと伝えなくてはいけません。

子宮や卵巣は骨盤内臓器と言います。

構造的に考えますと、
子宮卵巣をハンモック状に
つってくれている感じです。

試しに
「お尻の周りの力を抜いた状態で咳」
をしてみて下さい。

肛門に
「ビーンビーン」
と響く感じがわかると思います。

今度は
「お尻の力を入れた状態」
(お尻の穴を閉じる感じ)
で咳をしてみて下さい。

今度はお尻の穴に響かず、
下腹部に響くのがわかるでしょうか?

大変マニアックな内容になって
申し訳ないのですが、、
この
「骨盤底筋を使えるかどうか?」は
妊娠活動に
とても影響を与えます。

二人目不妊を考える際に、
出産後にこの部分の機能低下を
長引かせることは様々な問題に波及します。

骨盤底筋が使えなくなると
多裂筋とのコンビネーションが崩れて
「仙骨」位置のコントロールがダメになります。

腹圧にも関わっていることを忘れてはいけません。

腹横筋や横隔膜とともに、
腹圧のコントロールをしております。

産後に腹直筋が緩むことで、
中の圧が前方に逃げます。

骨盤底筋が緩むことで、
腹腔内圧が下にも抜けます。

二人目不妊を考えると、
実はこれらの調節を図らないと
なかなかゴールを迎えません。

切迫早産ぎみの方も
みんなこんな骨盤をされております。

セミナーでもよく言うのですが、
「咳をした際」に
骨盤底筋が響く状態ではダメです!

咳をして腹圧が急に上昇した際にも、
骨盤底筋が微動だにしない状態がベストだと感じます。

骨盤底筋の機能を考えると、
先ほど言ったように
ハンモック状になっているので、
緩んでしまうと、
子宮や骨盤内臓器のポジションにも関係します。

不妊整体や不妊鍼灸でも、
これらのことをイメージして、
骨盤の調節を図ります。

単純に骨盤底筋体操をすれば良い
というイメージだけではダメです。

その部分に
ずっと力を入れ続けるのは無理ですので!

機能的に使いやすい方法を、
患者さんと治療家が協力しながら
模索して行きます。

産後の骨盤矯正や不妊整体という分野も、
この知識が必ず必要になります。

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