「不便益」って?

2018年02月21日

暦の上では春ですが、相変わらず寒い日が続きますね。

でも、昔(いつ頃?)はこれくらいの寒さなら、
半袖の体操着でグラウンドを走っていた気がする…
寒さには意外と強い、田中1号です。

「不便益」
という言葉をご存知でしょうか?

文字通り、
不便の益(benefit of inconvenience)ということです。

少し前にテレビの情報番組で聞き覚えたのですが、
ネットで検索してみると、
昨年からなかなか話題になっているキーワードのようです。

不便は手間だが役に立つ!

例えば、

・野外でするバーベキュー
 準備や片付けに手間がかかるし、材料は変わらないのに、
 いつもより美味しく感じたり、会話が弾んだりする。

・フィルムカメラ「写ルンです」
 粗い画質で限られた枚数しか撮れませんが、
 スマホの写真にはない独特の世界観を表現できる。

などなど、便利さや効率化を追求するのではなく、
あえて「不便」を選ぶことで、
新しい「益」を見つけるというものです。

ビジネスのヒントにもなり得る、
この発想法を考えた第一人者が、
京都大学デザイン学ユニット教授の川上浩司氏。
彼は、携帯電話(スマホもガラケーも)を持っていないそうです。

スマホを持たない(ガラケーは持っている)身ゆえ、
思わず目が釘付けになりましたが、

“いつでも好きなときに”連絡が取れないことで、
人と連絡をとれることの大切さを
なんとなく感じることができています。」

とのこと。

そんな視点で、モノやコトのデザインを考えられているそうですが、
それで「あ!」と思い出しました。
京都大学オリジナルグッズで評判の

「素数ものさし」

以前から機会があればぜひ手に入れたい!と思っていたシロモノ
(なんで、そんなモノを? と聞かれると上手く答えられませんが…)
こちらで制作されていたのですね~!
目盛りに素数しか記されていない、
かなり使いにくいものさしです。

不便は手間ですが、決して悪者ではない、
大切なものを気づかせてくれるきっかけにもなる、
という考え方は、
実は奥が深くて、
思いがけない方向に展開できそうだなと思います。

ちなみに、私が見た番組の中では、
高級宝飾店で販売を担当している若い女性が、
接客したお一人お一人に手書きのお手紙を送っている、
という事例が紹介されていました。

季節やそのお客様に合わせて、便箋や封筒にも心配りしつつ、
ていねいに接することの積み重ねで、
ビジネス的に言えば
「顧客をつかむ」
ことに繋がっている様子でした。

整骨院の先生方には、
「患者様の声」を集めていただくことが大切、
と、弊社でもよくアドバイスさせていただいております。

一朝一夕にできることではありませんが、
「労を惜しまない」
「手間を省かない」
ことが、やはり何事につけポイントになってくるのだと思います。

上記、川上氏の著書(以下の長~い書名)が
昨年出版されているそうです。

興味のある方は、ご参考ください。

『不便益という発想~
 ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、
 不便をとり入れてみてはどうですか?(しごとのわ)』

田中二号の編集後記

代表の宮内が富山へ出張中のため、
代打の道産子田中2号です!
(田中1号のあとがきを田中2号が担当するという…笑)

「不便益」初めて聞きましたが、
確かにそういうことってありますよね。

学生時代はお金がなくても時間はあったので、
青春18きっぷでローカル線を乗り継いで、
京都から北海道まで帰省したり、
トランジットだらけの飛行機のチケットで
海外旅行をしたり。

今は新幹線や直通便でパッと行けちゃいますけど
不便な旅行の方が、楽しくて印象に残っている気がします。

インスタグラムでは「#ていねいな生活」ってのが
流行ってますし、手間暇かけて素敵な生活を送りたいものです。
(毎日バタバタしっぱなしです…。汗)

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